夏の盛りにルーマニアの運転免許に書き換えを済ませて、これで名実共にルーマニアの住人になったと喜んでいたら、会社のルーマニア人の同僚が、「それはルーマニア人と同じ処遇を受けるって意味」と意味ありげなことを言った。
10月の中旬、ある土曜日の昼前、ブラショフを抜けてシギショアラへ向かっていた途中の出来事。下り坂で前の車がゆっくり走っていた。路面に引かれた実線がその先で終わるのが見えたので、追越をかけて進んだ。すぐに上り坂となり、そこを上がるとパトカーが見えた。
あちゃー・・・。
手招きされて止められた。
「そこの下り坂で、追い越し禁止の違反。身分証明書と免許証を拝見。」抗議する余地無し。現行犯逮捕と同じ状況。
警官はパトカーに戻って、違反切符を切っている様子。
随分時間がかかる。
こりゃ、月曜日に銀行で違反金払い込みだなぁ。
警官が書類をひらひらさせながら戻ってきた。
「これが違反切符。48時間以内に払えば、今日は土曜日だから月曜日に払えば78RON。身分証明書はお返しする。免許証はブカレストにて受け取るように。こちらが引換証。」
え・・・?
「今日から2週間は運転可能。11月x日から一ヶ月したら、免許を受け取りにブカレストの警察へ行くように。」
追い越し違反はせいぜい罰金だろうと思い込んでいたら、とんでもない。たった一度で免停を食らった。もしかしたら、警官はこちらがごねて、賄賂で解決を図ろうとするのでも期待していたのだろうか?
この期に及んで、やっと同僚に電話してヘルプを求めることを思い浮かび、即刻電話。
「連番の入った違反切符はもう出ちゃった?」
「うん」
「ならば、もはや手遅れ。もはやどうにもならない。なんですぐに電話してこなかったんだ?」
「どうにも申し開きの余地の無い状況だったし、これだけで免停になるなんて想像すらしなかった・・・」
教訓: 自分に非があっても、罪の軽減を図るべくまずは交渉すべし。というよりも、この手の公的機関との対応には、どんな事態であれ、現地人にヘルプしてもらうべし。
結局、千客万来の11月に運転ができないという情けない状況を経て、先日やっと免許証が戻ってきた。このひと月、車の便利さと車の無い生活の不便さを改めて感じた。
追い越し違反は、もう二度としない。
posted by ムフテリフ at 05:24|
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